熊本城本丸御殿の障壁画2008年09月01日

昭君の間の襖絵
 8月末になって、日本列島は南から東日本まで猛烈な降雨に見舞われた。1時間の雨量が100㎜を超え、急激な水位の上昇で死者さえ発生した所もある。それが晦日の31日になって、九州は何とか青空が戻った。8月末日はまた、二百十日に当たり、空の雲はすっかり秋の形である。
 熊本城の本丸御殿はこの春に竣工したものの、話題の「昭君の間」などの障壁画や天井画は、混雑緩和と折角復元された絵画の劣化防止の観点から撮影が禁止されていた。それが漸く混雑も一段落したと言うことで、この度、Flashは禁止だが撮影が一般に許されるようになったので、今日の秋晴れを幸い、カメラを抱えて出掛けた。
 昭君の間には入室できないので、撮影は制限されるが、雰囲気は何とか伝えられただろうか。鮮やかな色彩が見事であった。

阿蘇いまだ秋ならず2008年09月04日

ヒゴタイと女郎花
 8月末は、気象庁が「2,008年8月末豪雨」と名付けたほど、日本列島全域に亘り不安定な天候が続き、猛烈な豪雨が各地を襲ったが、その後遺症と言うべきか、9月に入ってもなかなか天候が定まらない。
 今日はどうやら朝から青空が広がったので、阿蘇の初秋の風情を楽しもうと車を走らせたが、朝夕は涼しさが増してきたものの日中の暑さは余り変わらないためだろう、右も左も青々とした草原が広がるのみ。やまなみハイウエーが尾根に差し掛かるあたりでやっとススキが初々しく銀褐色の穂先を出しているのに出会った。
 更に行くと、次第に雲が広がり日射しが陰って久住山の頂も隠れてしまった。産山村のヒゴタイ公園では、ヒゴタイの花がやや盛りが過ぎたところだがまだ残っていて、周りではオミナエシやクレオメが今を盛りに咲き誇っていた。

Summer Vacation Is Over2008年09月10日

嘉島町天然湧水プール・・・奥角は監視カメラ
 朝夕の涼気はともかく、日中の気温と蒸し暑さはなかなか変わってくれない、と零しつつ日課のサイクリングをしている訳だが、道の辺の水田では段々に穂先が膨らんできて、仰げば今朝の空はすっかり秋の雲が広がり、山裾には靄がうっすらと棚引いていた。そして、夏休み中は駐車場には整理員が常駐する程混んでいた、県下唯一と言うより我が国でも唯一と言えそうなこの町名物の「天然湧水プール」は、今は誰一人姿が見えずひっそりと静まりかえっていた。
 このプールは年間通じて水温18℃、ローマオリンピックで銅メダルを勝ち得た、かの田中聡子選手が幼い頃泳いだところとして有名であるが、このプールが近年、一部利用者の心ない行為で周辺住民が迷惑を蒙っており、それを防止するために監視装置を付けたと先日地元の新聞が報じていたが誠に残念なことである。

南阿蘇の秋2008年09月14日

俵山扇坂展望所の萩
 台風13号が余りにも動きが鈍くて、先島諸島に30時間以上も停滞している。その影響を受けて、こちら熊本でも雨もよいの曇天に加えて湿度の高い南風が流れ込み、折角中秋の名月が近づいたというのに清涼な秋空は望むべくもない。
 じりじりしながら待っていたが、もう盛りが過ぎてしまいそうだからと、曇天ながら降雨にはまだ間がありそうな今日の午前中、南阿蘇入り口に当たる俵山の山麓に萩の花を探しに車を走らせた。心配していた通り、待っていた数日間に花は盛りが過ぎて、早くも色が濃く濁りはじめていた。
 近くの丘の畑では、少し早いようだが、栽培されたコスモス畑の花が今を盛りと咲き競い、たくさんのグループが花を愛でに訪れていて、辺り一帯は渋滞の車で大混雑の状態だった。お年寄り連れの家族グループが目についたのが敬老の日の連休らしかった。

棚田と彼岸花2008年09月19日

番所の棚田と彼岸花
 県北部、山鹿市菊鹿町から日田市に抜ける山峡の矢谷渓谷近くの山肌は、日本棚田百選にも選ばれた丹精された棚田でびっしりと埋まっているが、その一角、番所地区では長年、田の畦に生える彼岸花を大事に育ててきていて、毎年お彼岸が近づくこの時期には、緑の山の斜面一帯に黄色く色付いた稲田を赤い彼岸花が取り巻く風景が見られ「番所の彼岸花」として知られ、熊本県農村景観大賞も受賞している。
 九州南岸近くに随分長い間停滞していた台風13号が、漸く通り過ぎて青空が戻ってきた今日訪れた番所は、彼岸花は既にほぼ8分咲きで、稲穂はまだ幾らか青みが残ってはいたが重たげに穂先を垂れていた。例年はカメラに三脚を担いだカメラマンでごった返す山峡も、台風通過直後で、訪れていた人はごく僅か。おかげで独りゆっくりと散策を楽しむことが出来た。